都市・土地2021年05月10日 相続等により取得した土地所有権の国庫帰属が可能に! 法令ダイジェスト 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律 (令和3年4月28日法律25号)

概要
所有者不明土地の発生の抑制を図るため、相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限ります。以下「相続等」といいます。)により土地の所有権又は共有持分を取得した者等がその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度が創設されました。
施行
公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行
承認申請
1)土地の所有者(相続等によりその土地の所有権の全部又は一部を取得した者に限ります。)は、法務大臣に対し、その土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認を申請することができることとされました。
2)承認申請は、その土地が次のいずれかに該当するときは、することができないこととされました。
〈1〉建物の存する土地
〈2〉担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
〈3〉通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
〈4〉土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限ります。)により汚染されている土地
〈5〉境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
承認申請の却下
法務大臣は、承認申請が申請の権限を有しない者の申請による等の場合には、承認申請を却下しなければならないこと等とされました。
承 認
法務大臣は、承認申請に係る土地が次のいずれにも該当しないと認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならないこととされました。
〈1〉崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限ります。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
〈2〉土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
〈3〉除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
〈4〉隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
〈5〉〈1〉から〈4〉までに掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの
事実の調査等
法務大臣は、承認申請に係る審査のため必要があると認めるときは、その職員に事実の調査をさせることができること等とされました。
負担金の納付等
承認申請者は、国庫への帰属の承認があったときは、その承認に係る土地につき、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して政令で定めるところにより算定した額の金銭(以下「負担金」といいます。)を納付しなければならないこととされ、負担金が納付された時において、当該承認に係る土地の所有権は、国庫に帰属すること等とされました。
新日本法規出版株式会社
(2021年4月)
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