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倒産2020年04月16日 特別企画:「人手不足倒産」の動向調査(2019年度) 出典:帝国データバンク

2019年度の人手不足倒産、6年連続で最多を更新
~建設業や道路貨物運送業で小規模企業の倒産相次ぐ~

はじめに
 深刻化する人手不足を背景に、昨年4月からは働き方改革関連法が施行され、大手企業を中心に働きやすい環境づくりを優先する企業が増えたことから、働く30~40代女性の増加や、定年退 職後のシニア再雇用、外国人の採用などが増加傾向にある。一方、激化する人材獲得競争についていけない小規模企業を中心に、従業員の定着難や採用難から労働力確保が困難となり、倒産に 追い込まれるケースが目立っている。
 帝国データバンクでは、従業員不足による収益悪化などが要因となった倒産(個人事業主含む、負債1000万円以上、法的整理)を「人手不足倒産」と定義し、2019年度(19年4月~20年3月) に発生した倒産について集計・分析した。
1.件数・負債総額
 2019年度の人手不足倒産は194件(前年度比14.8%増)発生し、調査開始以降6年連続で年度最多件数を更新した。増加率は前年度(48.2%増)より鈍化したものの、右肩上がりでの推移が続いた。また、負債総額も354億300万円にのぼり、年度最大を更新した。
 調査開始以降7年間の累計件数は734件、負債総額1453億2800万円。
2.業種別
 業種別件数をみると、2019年度は「サービス業」が前年度比4.1%の増加で、最多の51件(構成比26.3%)となった。「建設業」(48件)がこれに続き、この2業種で全体の過半(同51.0%)を占めた。増加率では、「卸売業」(20件)が前年度比233.3%増でトップだった。
 調査開始以降7年間の累計件数を業種細分類別にみると、「道路貨物運送」が82件で最多。このうち、2019年度は30件(前年度比20.0%増)と、ドライバー不足による受注難から収益悪化を招き、倒産に至るケースが目立った。
 以下、「木造建築工事」(43件、2019年度12件)、「老人福祉事業」(38件、同6件)、「建築工事」(31件、同8件)、「労働者派遣」(30件、同7件)と続く。
 ドライバーのほか、建築職人、介護スタッフ、IT技術者、美容師など、専門職の定着や確保に窮した企業の倒産が相次いだ。
3.負債規模
 負債規模別件数をみると、2019年度は負債「1億円未満」が102件(前年度比2.0%増、構成比52.6%)と、過半を占めた。「1~5億円未満」は79件(同36.2%増)でこれに続いた。
4.まとめ
 2019年度(19年4月~20年3月)の人手不足倒産は、194件(前年度比14.8%増、負債総額354億300万円)発生した。増加率は前年度(48.2%増)より鈍化したものの、調査開始以降6年連続で最多を更新し、右肩上がりでの推移が続いている。業種別では、女性やシニアが就業しにくい建設業や道路貨物運送業のほか、資格や免許など高度な専門的スキルが求められる老人福祉事業や受託開発ソフトウェア、美容業など、人手確保の困難な業種が顕著に上位を占めた。
 この4月からは、大企業を対象に「同一労働同一賃金」の適用がスタートし、一部の業種を除く中小企業では、1年間の猶予期間を経て改正労働基準法による「時間外労働の上限規制」が適用された。労働条件や職場環境の改善が進む企業と進まない企業との格差は一段と広がる可能性もある。さらに現在、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本への渡航、入国を制限する措置がとられ、来日できなくなった技能実習生などの外国人労働者不足が生じていることから、こうした影響のさらなる深刻化も危惧される。
 今後は多くの企業で定年によるベテラン従業員の退職などが進むなか、若手の定着や確保が困難な小規模企業を中心に、人手不足倒産は増加基調で推移する可能性が高い。

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