行政2026年07月29日 AI活用にも資する円滑なデータ連携を促進! 法令ダイジェスト 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律 (令和8年7月17日法律56号)

概 要
AI等の急速な進展に伴い、個人情報を含むデータの利活用に対する需要が高まっている一方で、個人情報の違法な取扱いにより個人の権利利益が侵害されるリスクも高まっていることを踏まえ、個人情報の有用性に配慮しつつ、その一層の保護を図るため、身体の一部の特徴に係る情報が含まれる個人情報等について違法な取扱い等がなくとも本人による利用停止等の請求を可能とするとともに、個人情報の違法な取扱い等によって財産上の利益を得た場合に個人情報保護委員会が課徴金納付を命ずる制度を設けるほか、統計等の作成を行う第三者に個人情報を提供する場合等について本人の同意を不要とする等の措置を講ずることとされました。
施 行
公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日(一部の規定を除く。)
適正なデータ利活用の推進
1) 統計情報等作成の場合における本人同意の省略
統計情報等の作成にのみ利用されることが担保されていること等を条件に、本人同意なき個人データ等の第三者提供及び公開されている要配慮個人情報の取得が可能とされました。
2) 本人の権利利益を害しないことが明らかな場合における本人同意の省略
個人データの第三者提供等が、当該個人データの取得の状況からみて本人の意思に反しないため本人の権利利益を害しないことが明らかである場合について、本人の同意が不要とされました。
3) 同意取得困難性要件の緩和
生命等の保護又は公衆衛生の向上等のために個人情報を取り扱う場合、「本人の同意を得ることが困難であるとき」のみならず、「その他本人の同意を得ないことについて相当の理由があるとき」についても、本人からの同意取得が不要とされました。
4) 学術研究例外の対象拡大
学術研究目的で本人の同意が不要となり得る「学術研究機関等」に、医療の提供を目的とする機関又は団体が含まれることが明示されました。
リスクに適切に対応する規律の見直し
1) 子供の個人情報に関する規律の見直し
16歳未満の者が本人である場合、同意取得や通知等について当該本人の法定代理人を対象とすることが明文化され、当該本人の保有個人データの利用停止等請求の要件が緩和されるとともに、未成年者の個人情報等の取扱い等について、本人の最善の利益を優先して考慮すべき旨の責務規定が設けられました。
2) 顔特徴データ等に関する規律の見直し
顔特徴データ等について、その取扱いに関する一定の事項の周知が義務化され、利用停止等請求の要件が緩和されるとともに、オプトアウト制度に基づく第三者提供が禁止されました。
3) 個人データの処理等の委託を受ける事業者に対する規律の見直し
個人情報取扱事業者等からデータ処理等の委託を受けた事業者について、委託された個人データ等の適正な取扱いに係る義務が見直されました。
4) 漏えい等報告・本人通知の合理化
漏えい等発生時について、本人の権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合、本人への通知義務が緩和されました。
不適正利用等の防止
1) 個人関連情報に関する規律の導入
個人情報ではないが、特定の個人に対する働きかけが可能となる個人関連情報について、不適正利用及び不正取得が禁止されました。
2) オプトアウト制度の見直し
本人の求めにより提供を停止すること等を条件に同意なく第三者提供を可能とする制度(オプトアウト制度)について、提供先の身元及び利用目的の確認が義務化されました。
規律遵守の実効性確保のための規律
1) 勧告・命令等の実効性確保
〈1〉 速やかに違反行為の是正を求めることができるよう命令の要件が見直され、さらに、本人に対する違反行為に係る事実の通知又は公表等の本人の権利利益の保護のために必要な措置をとるよう勧告・命令することも可能とされました。
〈2〉 違反行為を補助等する第三者に対して当該違反行為の中止のために必要な措置等をとるよう要請する際の根拠となる規定が設けられました。
2) 悪質事案に対応するための刑事罰の強化
個人情報データベース等の不正提供等に係る罰則について加害目的の提供行為も処罰対象とされるとともに法定刑が引き上げられ、また、詐欺行為等により個人情報を不正に取得する行為に対する罰則が設けられました。
3) 課徴金の導入
経済的誘因のある、大量の個人情報の取扱いによる悪質な違反行為を実効的に抑止するため、重大な違反行為により個人の権利利益が侵害された場合等について、個人情報保護委員会が当該違反行為によって得られた財産的利益等に相当する額の課徴金の納付を命ずる制度が設けられました。
以 上
新日本法規出版株式会社
(2026年7月)
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