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経営・総務2026年01月13日 経営トップの「もしも」が会社にもたらす危機 発刊によせて執筆者より 執筆者:前山静夫

 今日の企業経営を取り巻く環境において、経営者の高齢化は避けて通れない課題の一つです。そうした中で、社長や役員が在任中に不慮の事態、すなわち「もしも」の時に直面するケースは少なくありません。
 このような事態は、遺されたご遺族に深い悲しみをもたらすだけでなく、特に中小企業においては、会社の存続と安定経営に極めて重大な影響を及ぼします。経営トップの突然の不在は、会社の機能停止に直結する危険性を内包しているためです。

【本書の使命】
 こうした緊急事態において、顧問先の会社機能を停止させず、円滑な事業継続をサポートすることは、税理士、弁護士、司法書士といった専門家に課せられた重要な使命です。
 しかし、社長逝去後に会社が行わなければならない手続は、非常に広範囲に及び、かつ複雑です。社葬の準備といった事務的な対応から、新たな役員の選任に伴う会社法上の手続、株式の引継手続、債権債務の清算、さらには税務上の申告まで、その内容は多岐にわたります。しかも、これらの手続の中には、厳格な期限が定められているものも多く、ミスなくスムーズに対応することは容易ではありません。
 本書は、まさにこのような緊急事態に直面した会社をサポートし、危機を乗り越えるための実務の指針を提供することを使命として執筆しました。そして、何よりも、日頃から「もしも」の緊急事態に備えるための「危機管理対策の決定版」として、ぜひご一読いただき、備えていただきたい一冊です。

【本書が提供する実務上の価値】
 本書は、実務家が緊急事態に直面した際に、迅速かつ正確に対応できるよう、以下の点で構成と内容の検討に注力しました。

1. 多岐にわたる手続を網羅した包括的な内容
 関係者への連絡や社葬の手配といった初動の事務的な対応から、後継者の選任、株式の引継ぎ、名義変更、債権債務の清算、社会保険の諸手続といった法的な対応、さらに事業を終了する場合の廃業・清算手続、そして遺族が行う相続税申告に至るまで、全ての対応をこの一書に集約しました。

2. 時系列とフローチャートによる明快な手順
 社長等の死亡後の手続を時系列で分かりやすく示した「モデルスケジュール」を冒頭に掲げました。また、各章の項目ごとに「フローチャート」を設け、対応や検討の手順と、実務上の留意点を視覚的に、かつ分かりやすく解説しています。これにより、混乱した状況下でも、次に何をすべきかを迷うことなく把握できます。

3. 実務に直結する豊富な書式と特典
 会社法上の必要書式、各種届出、通知文書などの実務で役立つ参考書式・文例を多数掲載しています。さらに、購読者特典としてこれらの書式データをダウンロードいただけますので、実務の効率化に直結します。

【多分野の専門家が連携した執筆体制】
 本書は、税理士法人チェスター、司法書士法人チェスター、行政書士法人チェスター、CST法律事務所に所属する税理士、司法書士、行政書士、弁護士が連携し、それぞれの専門知見を結集して編さんいたしました。この盤石な執筆体制により、複雑に絡み合う法務、税務、登記、行政手続といった問題を、網羅的かつ正確に解説することを実現しています。
 この一冊が、緊急事態に直面した顧問先の会社機能を守り、そしてその会社をサポートする専門家の皆様の業務にお役に立てれば幸いです。平時の備え、そして有事の際の実務指針として、ぜひご活用ください!

(2025年12月執筆)

発刊によせて執筆者より 全81記事

  1. 経営トップの「もしも」が会社にもたらす危機
  2. 未分割の負の遺産の話
  3. 「あきや」とは。
  4. 相続に潜む難問-使途不明金-
  5. 発刊によせて
  6. 発刊によせて
  7. この世には地獄がある
  8. 使い倒していただくことを願って
  9. 発刊によせて
  10. 最適な贈与契約のために
  11. 発刊によせて
  12. 税理士事務所経営のささやかな羅針盤となるように
  13. 相続問題に効く100の処方箋
  14. 相続土地国庫帰属制度の利活用促進の一助になれば
  15. 患者と医療従事者とのより望ましい関係の構築を願って
  16. 遺言・遺産分割による財産移転の多様化と課税問題
  17. 専門職後見人の後見業務
  18. 不動産の共有、社会問題化と民法改正による新しい仕組みの構築
  19. 登記手続の周知
  20. 育児・介護休業制度に対する職場の意識改革
  21. メンタルヘルスはベタなテーマかもしれないけれど
  22. 持続可能な雇用・SDGsな労使関係
  23. 自動車産業における100年に1度の大変革
  24. 中小企業の事業承継の現状と士業間の連携
  25. 消費税法に係る近年の改正について
  26. コーポレートガバナンスと2つのインセンティブ
  27. 労働者の健康を重視した企業経営
  28. 被害者の自殺と過失相殺
  29. <新型コロナウイルス>「株主総会運営に係るQ&A」と中小企業の株主総会
  30. 意外と使える限定承認
  31. 保育士・保育教諭が知っておきたい法改正~体罰禁止を明示した改正法について~
  32. 筆界と所有権界のミスマッチ
  33. 相続法改正と遺言
  34. 資格士業の幸せと矜持
  35. 労働基準法改正への対応等、ケアマネジャーに求められる対応は十分か
  36. 人身損害と物的損害の狭間
  37. <新債権法対応>契約実務における3つの失敗例
  38. 新債権法施行へのカウントダウン - 弁護士実務への影響 -
  39. 不動産売買における瑕疵担保責任から契約不適合責任への転換の影響
  40. 子を巡る紛争の解決基準について
  41. 所有者不明土地問題の現象の一側面
  42. 相続法の大改正で何が変わるのか
  43. 民法改正による交通事故損害賠償業務への影響
  44. 「相手が不快に思えばハラスメント」の大罪
  45. 身体拘束をしないこと
  46. 合同会社の設立時にご検討いただきたい点
  47. 社会福祉法人のガバナンスが機能不全している実態が社会問題に
  48. 借地に関する民法改正
  49. ただの同棲なのか保護すべき事実婚なのか
  50. 農地相談についての雑感
  51. 瑕疵か契約不適合か 品確法は、改正民法に用語を合わせるべきである
  52. 外国人受入れ要件としての日本語能力の重要性
  53. 相続法改正の追加試案について
  54. 民法(債権法)改正
  55. 相続人不存在と不在者の話
  56. 財産分与の『2分の1ルール』を修正する事情について
  57. 離婚を引き金とする貧困問題と事情変更による養育費の変更
  58. 建物漏水事故の増加と漏水事故に関する終局的責任の帰趨
  59. 働き方改革は売上を犠牲にする?
  60. 次期会社法改正に向けた議論状況
  61. 消費者契約法改正と「クロレラチラシ配布差止等請求事件最高裁判決(最判H29.1.24) 」の及ぼす影響
  62. 「買主、注意せよ」から「売主、注意せよ」へ
  63. 障害福祉法制の展望
  64. 評価単位について
  65. 止まない「バイトテロ」
  66. 新行政不服審査法の施行について
  67. JR東海認知症事件最高裁判決について
  68. 不動産業界を変容させる三本の矢
  69. 経営支配権をめぐる紛争について
  70. マンションにおける管理規約
  71. 相続法の改正
  72. 消防予防行政の執行体制の足腰を強化することが必要
  73. 最近の地方議会の取組み
  74. 空き家 どうする?
  75. 個人情報保護法、10年ぶりの改正!
  76. 最近の事業承継・傾向と対策
  77. ネーム・アンド・シェイムで過重労働は防止できるのか
  78. 離婚認容基準の変化と解決の視点
  79. 境界をめぐって
  80. 妻の不倫相手の子に対しても養育費の支払義務がある?
  81. 個別労働紛争解決のためのアドバイス

執筆者

前山 静夫まえやま しずお

税理士(税理士法人チェスター)

略歴・経歴

関東信越国税不服審判所審判官、関東信越国税局審理課長、同国税局国税訟務官室長、税務署長等を歴任

<最近の著書>
「相続税専門税理士が実践するエンディングノート&遺言書活用術」(ぎょうせい、2024)共著
「資産税専門税理士が実践する関与先の継続管理術」(ぎょうせい、2024)共著
「3訂 農家の所得税 一問一答集」(全国農業会議所 2022)共著

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