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その他2014年12月19日 「国家憲法の日」の制定 日本人弁護士が見た中国 一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 執筆者:稲田堅太郎

 我国の日本国憲法は1946年(昭和21年)11月3日に公布され、翌47年(昭和22年)5月3日に施行されたことから5月3日はそれを記念し、憲法記念日として国民の祝日となっています。
 第二次大戦後、69年間にわたって日本人が他国に対して戦争を仕掛けたり、戦争による犠牲者を内外を問わず1人も出さなかったのは日本国憲法第9条による平和主義の存在が大きく影響しているものと思われます。
 最近、安倍首相は「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定し、世界のどこへでも米国の紛争に自衛隊がかけつけることができるという危険極まりない方向をめざしているようであり放置する訳にはまいりません。
 ところでお隣りの国、中国では10月に開会した中国第12期全人代常務委員会第11回会議において12月4日を「国家憲法の日」として制定する決定草案を提出しました。
 共産党の一党独裁の中国では国の政策についても党の指導が優先され、今回の「国家憲法の日」制定についても全人代常務委員会の会議に先立って共産党第18期中央委員会第4回総会(いわゆる18期4中総)において、憲法に基づく国家統治の堅持、憲法による執政の堅持が打ち出され憲法実施の強化が強調されたことに基づくものです。
 汚職・腐敗の蔓延する中国社会では2000年余りで形成された「人治」の影から脱出する努力をしているにもかかわらず一部の党、政府の高官の歴史的に形成された「特権意識」や「言葉が法に代わる」「権力が法を上回る」などの考えや気風が「権力による法律の圧倒」、「私事のために法を曲げる」ことが依然としてみられ、社会の公平・正義を損ない腐敗蔓延の重要な原因となり、共産党の地位と国の末永い安定を脅かしている。したがって中央から地方に至る法治の権威樹立は一刻の猶予も許されない状況となっており、そこで党が人民を指導し、憲法と法律を制定するには党が憲法と法律の範囲で活動しなければならず、いかなる組織・個人も憲法と法律を超える特権を持つことはできないし、言葉で法に代えること、権力で法を圧倒すること、私事で法を曲げることを絶対に許さないとの方針の下に憲法実施の強化が強調され、「国家憲法の日」制定に至ったものと思われます。
 「国家憲法の日」制定は社会の憲法意識を高め、憲法の精神を発揚し、憲法の実施を強化し、法に基づく国家統治を全面的に推進するためのものであり、向後、毎年12月4日には国がさまざまな形で憲法宣伝教育活動を行っていくものと思われます。

(2014年12月執筆)

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