一般2010年08月02日 充電スタンド建設の加速 日本人弁護士が見た中国) 一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 執筆者:稲田堅太郎
日本でも、先日ホンダの社長が2012年に電気自動車を米国と日本において販売する計画であるとの注目するべき発言をするなど、次世代の自動車として、ハイブリッド車に加えて、プラグイン充電式のハイブリッド車や電気自動車が注目を集めています。
世界的金融危機の影響を受けた先進国と多国籍企業は、危機を抜け出し、危機のあとに世界経済をひっぱるための新しい技術と支柱となるべき産業を育てる道をさぐる中で各国が新エネルギー車の開発に力をいれつつあります。
新しい自動車競争に勝ち抜くために日本をはじめ、ドイツ、フランス、韓国、米国など新世代のエコカーの開発を支援する政策が相次いで発表され、米国では2015年までにプラグイン電気自動車の普及台数を100万台に増やすことを目指しています。中国でも国家発展改革委員会と科学技術省が連名で発表した「新エネ車計画」によると2020年までに新エネ車の台数を自動車全体の50%を占める6500万台に増やすことを目指しているとのことです。
ところで、従来の電気自動車は一回の充電による走行距離の短かさや加速性に加えて、技術の不成熟、充電のためのインフラ整備等が問題とされ、これを大々的に普及させるためには成熟した技術、より長い走行距離の改善、加速性の改善に加えてポールタイプの充電器の設置や電池の後処理など一連の巨大なシステムによる日常的なニーズに応えなければならず、特に都市部の全域をカバーするポールタイプ充電器の設置は普及のためのカギを握っているといわれてきました。
中国天津市では市内の100ヶ所に電気自動車用のポールタイプ充電器を設置する事業が5月末から7月にかけて始まりました。
この事業は国家電網公司が新エネルギー車事業に進出のための雄大な計画の一部にすぎず、電力資源の優位性を備えている同公司が年内に中国全土の75ヶ所に充電スタンド6209ヶ所に交流のポールタイプ充電器を設置するというものです。
充電スタンドの建設についてはいかなる技術的問題もなく、その建設費は充電スタンドの場合で300万元前後、ポールタイプ充電器なら2万5000元前後といわれており、急速に中国全土に普及することにより一層の電気自動車への需要が加速するものと思われます。
(2010年7月執筆)
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