一般2011年06月01日 中国でも「禁煙」規定が発効 日本人弁護士が見た中国 一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 執筆者:稲田堅太郎
飛行機内や列車内に及ばず街頭においても禁煙場所が拡大され、喫煙者にとってはさぞや不自由な生活の毎日ではなかろうかと思われます。
中国では宴会の席などにおいてお酒をすすめられるばかりか、上等の煙草をすすめられることが度々あり、煙草を吸わない私としては困惑することがよくありました。
その中国において、中国衛生部が改正した「公共場所衛生管理条例実施細則」がこの5月1日から実施されることとなり「室内の公共の場所での禁煙」などの規定が正式に発効することとなりました。
改正後の実施細則において、以下のような規定が追加されました。
(1)室内の公共の場所での喫煙を禁止する。
(2)公共の場所の事業者は人目につくところに喫煙禁止の警告文とマークを設置しなければならない。
(3)室外の公共の場所に設置される喫煙コーナーは通行人が必ず通らなければならないルートに設けてはならない。
(4)公共の場所には自動煙草販売機を設置してはならない。
(5)公共の場所の事業者は喫煙が健康を害することの宣伝を行うとともに専従者・兼任者を置いて喫煙者に喫煙をやめるよう忠告しなければならない。
等々です。
「公共場所衛生管理条例」によりますと、公共の場所とは具体的にホテル、バー、映画館、劇場、ゲームホール(室)、公園、展覧館、自動車(航空機、船舶)、待合室、公共交通手段などが含まれています。
したがって、今後はホテル、待合室などの公共の場所に「喫煙コーナー」を設けること自体が駄目だということになりかねず、喫煙者にとっては益々肩身の狭い環境に置かれることになるのではないでしょうか。
とりわけ、喫煙者の多い中国人にとってはつらい毎日を過ごさなくてはならなくなりそうです。
衛生部監督局環境衛生処の謝楊処長は、今後、ホテル、待合室などの公共の場所には「喫煙コーナー」を設けてはならないものと理解しうる。これはWHOの「煙草規制枠組条約」の精神とも一致していると述べています。
中国のいくつかの省・都市では既に比較的厳格な喫煙規制の地方法規が公布されているところもあって、これに今回の実施細則の改正が加わることとなり、中国の喫煙規制立法の基礎を築くことになるものと期待されています。
(2011年5月執筆)
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