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一般2007年11月07日 北京市の自転車レンタル事業から中国の環境政策を見る 日本人弁護士が見た中国) 一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 執筆者:川口創

 フランス・パリ市は今年の7月15日から、環境事業の一環として、Velibと呼ばれるレンタル自転車事業を始めた。利用者は24時間、市内750か所で、クレジットカードなどを利用して自転車を借り、使用後は指定場所に乗り捨てることができる。
 パリ市当局は年末までに1451か所に拠点を設け、自転車台数を2万600台まで増やす予定にしている。環境に優しい手軽な乗り物、自転車の利用促進政策への関心が世界的に高まっている。
 このパリに追随したのかは定かではないが、このほど北京市も同様のレンタル自転車事業を始めた。来年の五輪開催までに、商業地区、地下鉄の出入り口、ホテル、団地など約200カ所に合計5万台の自転車を設置する予定だという。
 「自転車利用促進政策などしなくとも、中国では皆自転車に乗っているではないか。なぜ今さら、さらに5万台も」とお思いの方もいらっしゃるかもしれない。
 確かにかつては、北京をはじめ、中国の大都市の交通手段の主役は自転車であった。
 しかし、この10数年の間で、中国では自動車の普及が一気に進んだ。北京市だけでも、自動車の台数は305万台を突破したという。北京市内は、いまや車であふれかえっている。
 ところが、自動車の排ガスが主要な原因の一つとなり、北京をはじめ都市部での大気汚染が深刻な社会問題となり、このところ中国政府も環境問題に力を入れている。
 北京オリンピックでも、重要理念の一つとして「エコロジー」「エコ五輪」を上げ、「環境に優しいオリンピック」を目指している。
 北京市の自転車利用促進政策は、この「エコ五輪」を目前に、大気汚染対策として打ち出された政策なのである。一気に5万台まで目指すあたり(なお、パリは2万台である)、さすが中国というべきか。
 中国では、様々な分野で「環境に優しい」商品の売り込みが盛んなようであるが、このような政府の政策の規模を考えると納得がいく。
 なお、レンタル自転車事業については、現時点では、地元の市民の利用よりも、観光客や外国人の利用がはるかに多いそうである。

(2007年10月執筆)

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