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その他2014年11月20日 中国独占禁止法 日本人弁護士が見た中国 一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 執筆者:久保田祐佳

 中国では、外国企業の中国における事業活動に直接影響を与えると思われる重要な法令が次々と制定されています。2007年3月16日には改正企業所得税法が公布され、2007年6月29日には労働契約法が公布されました。また、2007年10月28日には改正民事訴訟法が、2007年12月29日には労働争議調停仲裁法が、2007年8月30日には独占禁止法がそれぞれ公布されました。今日は、この独占禁止法が問題になった事例をご紹介いたします。

 2008年9月、米国コカ・コーラ社は、北京に本社を置く中国最大の果汁メーカーであり、同時に中国で最も著名なブランドである中国匯源果汁集団有限公司を、24億ドルを投じて買収したいという計画を中国独占禁止法執行機構の1つである商務部に提出しました。この買収計画を商務部に提出したのは、独占禁止法と国務院の「事業者集中の申告基準に関する規定」(2008年8月4日公布、同日施行)の定めに基づいてのことです。
 こうしてコカ・コーラ社による買収について、商務部で審査が行われることになりました。
 
 しかし、商務部は、最終的に、この事業者結合は競争を排除・制限する効果を有し、中国の果汁飲料市場における有効な競争及び果汁産業の健康な発展に悪影響を及ぼすと認定し、米国コカ・コーラ社による中国匯源果汁集団有限公司の買収を禁止しました。これは、2008年8月1日の独占禁止法施行後、事業者結合が禁止された最初のケースとなりました。

 中国で独占禁止法が施行されてから、企業買収に手間暇がかかるようになったのは事実です。中国以外の企業を買収する場合であっても、商務部から膨大な資料の提出を要求され、中国の市場への影響が慎重に吟味されるようになりました。上記の米国コカ・コーラ社のように、中国企業を買収する場合には、一層厳しい審査が待っています。これは、国際的な企業買収を行う場合には、中国の独占禁止法が大きなハードルとなっていることを示しています。今後は日本企業としても、中国の独占禁止法を視野に入れて、中国での企業活動を検討する必要があるといえます。

(2014年11月執筆)

一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 全115記事

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  111. 信頼関係の形成に向けて
  112. 中国憲法における「改革・開放」路線
  113. 苦情処理センターの効用
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