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その他2005年09月07日 互いの理解 日本人弁護士が見た中国 一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 執筆者:加藤洪太郎

建築中の筈が
 中国のある街に1~2度訪れてみると、そこには、高層ビルが林立し、そればかりか建築途上の高層ビルもあちらこちらに。「すごい発展ぶりだなー」と驚嘆することしきり・・・・・、という経験をお持ちの方も少なくないと思います。
 春夏秋冬を経て訪中も3度目くらいになると「ちょっと待てよ」となることがある。他のビルは完成してるのに一部の建築中の高層ビルで一向に仕事が進んだ気配がないのだ。一年前に見た様子と変わっていない。よくよく見ると工事人の姿がないし、何だか鉄骨にもサビが出ている。

工事しながら出資者をつのる
 そこで地元の人に訊いて事情がわかる。
 「この工事が止まってるビルは何でしょうか?」
 「資金が全部調達できないうちからビルを建てはじめた。建物は着工、出資者は募集中、というわけだ。ビルの骨格が立ち上がってその姿が目に見えてくれば、残り資金の出資者も出てくるだろう、という調子で着工しここまで出来たが、出資者が集まらず、工事が中途挫折したまま放ってあるのさ。」

気質の差?
 日本では、建築資金の確保のないまま建築を進めてしまうようなことは稀である。むしろ、資金手当どころか、ビルの計画段階からテナントの募集にかかり、採算の堅実なメドまでつけて着工、というケースだって結構多い。
 ここで、よく出てくるのが、「日本人は・・・」「中国人は・・・・」という「認識」だ。曰く「日本人は、何かと計画的でガチガチの計画をあらかじめたてて、そのとおりシステマチックに推進する。だから、動きはじめが遅くチャンスを失うことも多い。」「中国人は、即、実行。途中で計画変更となることくらいはめずらしくもない。チャンスを掴んで浮上する。」といった具合だ。

だが実は
 だが、よく見れば、まわりの日本人のなかでも「走り出す前に地図を徹底的に調べる」というタイプの人もいれば、「走り出して迷ってから地図を開く」というタイプの人もいるではないか。気質の差は個人個人で様々である。
 「国民気質」?などというものがあるとすれば、それは、その国がおかれた基本的な状況を反映していると見るべきだろう。
 行動パターンの基礎になっている環境、経済活動でいえば『経営環境』の状態に関心をよせ、「工事しながら出資者をつのる」式の経済活動を生んだ経済構造を知るべきである。
 異なった経済環境にある人間どうしが、互いを尊重しあって協調・連帯していくためには、両者の間の違いにレッテルを貼りあうのではなく、互いの状況を深く理解しあうことだと思う。

(2005年8月執筆)

一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 全115記事

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