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一般2007年04月04日 中国のオーケストラ 日本人弁護士が見た中国 一般社団法人日中法務交流・協力日本機構からの便り 執筆者:加藤洪太郎

■ 中国にオーケストラ、ある? 
 中国に行き来するうちに関心がいろんなことに及ぶ。「中国にオーケストラがある?」と、いうのもその一つ。生まれ育って今も生活する故郷を「オーケストラのある〝まち〟」にすることを念願し、20年前からいわば「ご当地・市民オーケストラ」の立ち上げそして発展を支える運動に加わってきていたためでもある。

■ あると知って聴きに行く
 10年くらいになるだろうか。北京の小劇場で数名の青年によるクラシック音楽の演奏を聴く機会があった。その時はまだ自分の認識が浅く、「結構いい線いってるな」くらいの感想であった。
 そして数年前、上海に上海交響楽団あり、と知って縁故を頼りその面々との知己を得ることが出来た。訪れた演奏会場の大規模なのにまず驚く。上海市政府庁舎の間近で堂々の構えの上海大劇院。地下2階・地上6階・頂上階2階の計10階建。大中小のホールで構成されており、大ホールは1800席。勿論、これにふさわしい演奏でいたく感激。
 オーケストラメンバーの打ち上げ会に参加して交流。
 で、知ってびっくり。上海交響楽団は何と清朝末期の創立。100年を優に超える歴史というのだ。「中国にオーケストラある?」どころか「日本にオーケストラがない時期からある!」のであった。己の認識の欠如を大いに反省。
 そこで、「是非、何名かで、日本の我が〝まち〟へ!」と誘う。「2005年は日本の瀬戸市で国際博覧会が開催されます。その時期に是非どうぞ」というワケ。意気があがった。

■ 日本で聴く
 国際博の前年の2004年。東京オペラシティ コンサートホールで文化庁主催の「アジア オーケストラ ウィーク 2004」が催された。ソウル・フィルハーモニック管弦楽団 、ベトナム国立交響楽団、マレーシア国立交響楽団そして上海交響楽団が出演。この上海オケ公演を聴いた。陳燮陽(チェン・シェヤン)氏指揮のフルメンバーの演奏は迫力満点。特にヴァイオリン協奏曲(パガニーニ:第1番ニ長調)での黄蒙拉(ファン・モンラ)氏のヴァイオリン演奏は神業とも思われた。
 終了後、知己を得ている面々とも再会し「来年2005年には是非、国際博の瀬戸へ」と再度のお誘い。

■ 地元への招聘が実現
 経過や中身は省略するが、あらゆる準備を並行して積み重ね、いよいよ2005年。遂に上海交響楽団の内から団員11名が選抜されその招聘が実現。我が〝まち〟である愛知県瀬戸市の瀬戸市民オーケストラとの共演が実現した。これまた市民で構成する第九合唱団とともにべートーベンの第九の公演となり、文字通りの文化国際交流が現実のものとなった。

■ 13億人から選び抜かれる
 滞在期間中、団員達とともに過ごすこととなった。
 その日々でも練習を欠かさぬ日課だったが大いに交流が進んだ。演奏の才能・技量・音楽性もさることながら、人柄にすこぶる好感が持てた。謙虚で明るく、かつ行動的。しかも異なる文化的・習俗的環境に柔軟に対応できる。聞けば世界各地で演奏しているのだから当然かも。優秀を絵に描いたような人たちである。
 考えてみれば13億の人々の中から選び抜かれて上海大劇院やカーネギーホールに立つに及んでいるのだから当然なのか。そういえば、スポーツでも金メダリストは日本よりも多い。これまた13億の母体から育ちあがる結果だ。
 ということは、あらゆる部門・方面でこうなのか?!
 今頃、それに気付いて認識をあらためているところである。

(2007年4月執筆)

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