大連事務所は開設10周年を迎えました！ | 記事

　一般社団法人日中法務交流・協力日本機構の事業の一環として開設されました、日本法円坂律師事務所大連代表処（大連事務所）が、開設10周年を迎えました。10周年を記念して、去る2010年10月29日、大連にて、日本と中国の弁護士３名ずつによるパネルディスカッション形式のセミナー「ますます重要となる日本・中国の法律家交流－日系企業・駐在員のトラブル防止のために」を開催しました。中国人弁護士のパネリストは大連在住の于虹弁護士、劉同強弁護士、劉勇弁護士、日本人弁護士のパネリストは、加藤洪太郎弁護士、稲田堅太郎弁護士、菅原哲朗弁護士、コーディネーターは中島が担当しました。
　日本と中国の間には様々な克服すべき政治課題がありつつも、経済的交流・結びつきがますます増加していくことは間違いありません。日系企業が中国に進出し、あるいは日本人が中国に駐在する機会はますます増えるでしょう。
　大連には、多くの日系企業が進出しており、また、多くの日本人が居住しています。法的なトラブルに巻き込まれたとき、あるいはリスクを回避するときに、弁護士の存在は心強いものです。そんなとき、日本・中国の事案解決の経験豊富な日本人弁護士と、中国人弁護士が共同で解決にあたることが、現地の日系企業・日本人にとって、非常に重要となります。
　セミナー当日は、現地の日系企業担当者を中心として約60名の参加がありました。在瀋陽日本国総領事館大連出張所宮田領事のご挨拶のあと、パネリストから大連事務所の設立の経緯、日本と中国の法律や裁判運用の違いなどを説明しました。また、具体的事例として、労働契約、不動産賃貸借、企業再編・清算などの企業活動に関するトラブル事例や、男女問題など駐在員の遭遇した具体的事例などを通して、日本と中国の弁護士がどのような形で関与し、どこで協力し、どのように事案を解決していくのか、意見交換を行いました。
　2008年に中国で労働契約法が施行されて以降、個別の労働紛争が増加しています。また、広州に端を発した賃上げ目的のストライキの流れは大連にも広がりました。労働紛争はまだまだ続きそうです。
　今後も、大連及び他の地域において、様々なトラブルを防止できるよう、大連事務所は一層の発展をしていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。

（２０１０年１１月執筆）