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一般2016年01月05日 生きがいを生み出す「社会システム化」の創新(法苑177号) 法苑 執筆者:林博明

『創新。』

を新しく創るのか。』

『それは、なぜ私達が現代の日本の社会において必要に迫られているのか。』

『どのような方法論を用いて創っていくのか。』

 私は、先にこの法苑において、『生き甲斐の創造にかく挑戦する』、『生きがい就労』という二回の執筆の機会を幸運にも頂戴しました。本日、満五七歳の誕生日、還暦に後三年、そろそろ天命を知り、耳順の歳を迎えんとする時点での人生の帰結的論考の下で、第三回目の執筆を深謝幸甚の気持ち一杯、精魂を込めて筆を進めさせて頂くこととします。

 『感動。感謝。素直。友愛。思いやり。誇り。尊厳。信。勢。至誠。聖徳。』、『知性。品性。理性。』加えて『感性。』+『野性。』+『協性。』を育むことは人生を素晴らしく生きるために必要なことだと思慮します。

 私自身半世紀以上の生存過程の中で、常に人智を結集すれば必ずや素晴らしい空間力・文化力を生み出せるものと考え続けてきました。道の無いところに新しい道を創ること、即ち、創新すべき『』とは、月並みな表現ではありますが、『生きがい(心の豊かさ・生きる喜びや楽しみ)を生み出す社会システム化』に他ならないと現時点で考えています。

 私事で大変恐縮の極みですが、今から丁度四〇年前、一七歳の私は心身ともにバランスを崩してしまいました。そんな時に、若いときですから、漠然と、けれども、真剣に『生きることの意味』について問い続けました。一人で神社や寺院に足を運んだ日々がありました。この時から、それが人生の指針になり、人生のテーマになり、ライフワークになってしまいました。あれから、四〇年の光陰を経て、今五七歳を迎えています。一〇年後、二〇年後、私が満七七歳の時は、六〇年の歳月が教えてくれるものに期待と憧れをもっています。

 二〇一五年は、戦後七〇年です。若い人たちには、もっと正確に第二次世界大戦(太平洋戦争)と明示して話したほうがよさそうです。と言いますのは、
 先日、平成二七年一〇月三一日(土)に大阪中央郵便局に所要で参りました。大きな郵便局では、土、日関係なく業務が行われていますので大変私の職業上も便利です。ところが、ものすごく混んでいて、普段の二倍を超えたそれも小包郵便の量が非常に多く見受けられました。原因はどうやら『ハロウィン』にあるようです。年齢層も若く、故に一件あたりの所要時間も倍くらいですから長蛇の列ができ、その中に私もいました。やっと順番がまわってきて、職員の方(この方のお名前が、この後の忠臣蔵の記述との関連で奇遇だなと感じました。)とお話をしていて、文化の浸透は、劇的な人間の行動パターンの変化を生むものだなあと感銘を受けました。どうも、経済の成長ベースでは、『バレンタイン』に匹敵するまでに此処一〇年間内で急成長を遂げたとのことです。
 戦後七〇年です。大政奉還から一四八年です。普遍的なものは確かにありますが、同時に時代の変化に応じて多様化するものも多いと言わなければなりません。私は、『おおさか』に永く住み着いているDNAらしく、私の家の前の道はどうやら大化の改新の翌年の西暦六四六年に千鳥式で条里制が敷かれ作られた道のようです。平成二七年一〇月三一日に『おおさか』で、国政政党で地域名が入るという憲政史上とても興味深い結党がありました。前日一〇月三〇日の各新聞紙のトップ的扱いの記事に『中国で一人っ子政策撤廃』が報じられていました。現時点の時代背景や将来の未来社会を見据えた柔軟な大計が必要になってきます。もう一つ、近々の話題を申し上げます。平成二七年は九月二一日が敬老の日となりました。その前日の二〇日、敬老の日に合わせてまとめた総務省における九月一五日時点の人口推計によると、八〇歳以上は前年比三八万人増の一〇〇二万人となり、初めて一〇〇〇万人を超えたということです。六五歳以上の高齢者人口は前年比八九万人増の三三八四万人で、総人口に占める割合は〇・八ポイント上昇の二六・七%となり、人口、割合とも過去最高を更新しました。いわゆる『団塊の世代』の全員が満六五歳以上となったことです。加えて、前期高齢者【ヤングオールド】と後期高齢者【オールドオールド】の比率もほぼ拮抗した数字が挙げられています。
 同日に又このような記事が目を引きました。「目覚める資本―新地平を開く―」として、『ESG 』。環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の三者を投資判断において同列に考えるという視点です。もはやGだけで企業を評価するのではなくEとSの情報を重要視する時代背景を論じておりました。
 私が、一級FP技能士を取得した時は専ら『自己資本利益率(ROE)』優先主義で、社会貢献を考慮した投資行動などはあまりお目にかかりませんでした。

 『創新』。すべき『』=『生きがい(心の豊かさ・生きる喜びや楽しみ)を生み出す社会システム化』が、『それは、なぜ私達が現代の日本の社会において必要に迫られているのか。』を感覚的に捉えて頂きたいと思い、左記のようなお話をさせて頂きました。私の今日までの四〇年の思索が、このように哲学性・社会性を帯びた事象については、感覚的に捉えておけばそれで充分だと言えなくもないと敢えて考えるようになったからです。

 今、生きがい(心の豊かさ・生きる喜びや楽しみ)を生み出す社会システムを『どのような方法論を用いて創っていくのか。』は、試行錯誤の途中です。
 あと二〇年、満七七歳までの宿題です。六〇年も費やせばある一定の結論が向こうの方からやって来てくれるかも知れません。
 それは、熟練され技能として位置づけられている工匠の技―たとえば、寿司を握る技能は、従前より一人前までに一〇年はかかると言われています―の凡そ八〇%程度くらいまでは、システム化された技術科マニュアルによって二〜三か月程度の期間で、少なくとも最低限の商品を生み出す程度まで修得することが一般的に可能であることが現実に実践されていることでも期待感は大いに膨らみます。

 現時点から将来に向かっての創新に係る私の取組を少し話したいと存じます。

 生業を通じて社会的な課題の解決を通常のビジネス手法の範疇で成立させる、それがソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)であり、その担い手がソーシャル・アントレプレナー(社会的企業家)と呼ばれるものです。
 環境問題、高齢者・障がい者支援・青少年の教育支援、途上国支援、貧困撲滅等大きな政府の限界が垣間見られる中で、価値観の多様化に対処しながら、市町村あるいは民間レベルのソーシャル・イノベーションが新しい社会的事業の可能性を提示しつつあります。横浜市がここ数年来繰り広げている『地域CSR』の取組などは注目に値するところです。(栃木県宇都宮市、さいたま市等も類似の制度を展開しています。地域CSRを実践展開する過程の中で社会的弱者が挑戦権を持てる社会環境の整備が期待されるところです。

 私は、生業として、現在は『障がい者支援』を中心に活動していますが、『事業承継・事業再生』が相続と絡んで、いよいよ大きな社会的問題として提起されつつあります。
 従前より、福農という視点から、農林業に注目してまいりましたが、今般、TPP交渉も大詰めを迎え、待ったなしの状態です。
 来年度からは、具体的な活動、障がい者の就労支援活動を本格化する予定です。最終的には、公益社団法人を設立して、もっと幅広い知見から見守り・成年後見・家族信託・相続・事業承継・事業と家族の再生をも視野に入れた活動を目指したいと考えています。

 ここで、『生きがい(心の豊かさ・生きる喜びや楽しみ)を生み出す社会システム化』が、なぜ私達が現代の日本の社会において必要に迫られているのか。』の感性をより一層鋭敏に獲得して戴くことを狙いと致しまして、有名な歴史的出来事から次の二つの思考を取り上げて考えてみたいと思います。

① 命懸けの就職活動―赤穂浪士の吉良邸への討ち入り―
 時は、元禄一四年(一七〇一年)三月一四日千代田城白書院に遠く向かい合う大廊下、通称松の廊下で刃傷事件が起こりました(ちなみに、前年の一七〇〇年一二月に水戸光圀が薨去しています。徳川本家の命脈は後一五年ほどです。)。当日は、勅使饗応の儀の最終日です。緊迫した空気と疲労感がピークです。

 言ってみれば、浅野匠頭の吉良上野介義央に対する刃傷事件というのは、凡そ浅野匠頭が勅使饗応役に任ぜられた一七〇一年二月四日から赤穂浪士切腹の一七〇三年二月四日までの二年間に及ぶこととなります。
 後世において、命懸けの就職活動【忠臣蔵】という観点からアプローチされることにもなります、閉塞感漂う江戸時代の社会システムの中で、『生きがい』を『死にがい』とし、『人生観』を『死生観』に転換しながら、懸命に生きようとする執念が受け取れます。自分が死んでも名誉の死が賜れます。子孫に仕官の道が期待されます。若しかしたら自分自身の仕官の道が開けるかも知れません。事実、大石内蔵助の三男が浅野本家に一五〇〇石で召し抱えられています。
 遠く三〇〇年以上前の事件ですが、今も人気を博しております。人の心を打つ何かが潜んでいるようです。もちろん法律的視点で理解しようと試みるのはナンセンス極まりないものです。基本的には普遍的に現代にも引き継がれている心理状態であるように思います。

② 本能寺の変から清州会議を経て、誰が本当の生きがいを得たか
 天正一〇年(一五八二年)六月二日未明、明智光秀が織田信長を討った本能寺の変から光秀が山崎の合戦に敗れ死んで後、清州会議を舞台に歴史を動かす重大な局面がありました。結果的には、羽柴秀吉が織田家を簒奪することに成功するわけです(にもかかわらず、大阪では今もなお太閤秀吉の人気は得難いものがあります。この手法も社会システム化に学ぶことが多いと思います。)。

 私は、この一連の歴史物語について、三〇代の若者三人と三時間余にわたり激論を交わしました。人はあの世に何も持っていけません。持っていけるのは思いだけだという人もいますが、思いすら持っていけません。もっと言えば、そもそも持っていくものではなく、この世の中に『残していく』ものです。
 誰が本当の『生きがい』を得たのか、私を含め四人の意見が一致しました。
 お市様は三五〜三六です。権六=柴田勝家は五五〜五六です。秀吉は四六歳です。『生きがい』の観点から本当に勝利を得たのは、柴田権六勝家ではなかろうかと。なぜなら、その時代のマドンナであるお市様と夫婦になれたのですから。

 現代社会は、激変の中に益々混迷を深め、グローバル化が進展していきます。
 『生きがいを生み出す社会システム化』の創新という課題に、過去の四〇年の経験知を基にして残りの二〇年を懸けて挑みます。

 最後に、二年前に法苑で書かせて頂いた『生きがい就労』の最後の記述ですが、徒然草第二二九段の解釈について、現在時点における私の感覚的なものですが、少し訂正を含めて記述させて頂きます。

【徒然草第二二九段】
『よき細工は、少し鈍き刀を使ふといふ。妙観が刀はいたく立たず。』

* 『妙観』=今の大阪府箕面市にある勝尾寺の観音像と四天王像を西暦七八〇年に彫刻した僧のこと。

 やはり、物事全てに勝ちすぎるのは良くないと思います。『遊び』の部分がとても大切です。『少し鈍き刀を使ふ』という表現にそれが含まれています。言い換えれば、一種『余裕』のようなものですね。母がよく口癖のように言っておりました。「博明さん、世の中に無駄なものは何もないのですよ。無駄に見えるものの中に本当は大切な生きるための真理が隠れているのですよ。」と話してくれたのを思い出します。理屈は大切だけれどもそれだけではだめですよと。私が三九歳の時に『尊厳死』を教示して、一瞬で逝った母の言葉が重なります。

 二〇一五年から二〇三五年の二〇年間の激動期に最晩年を迎える偶然と必然に衷心から深く『感謝。感動。友愛。思いやり。誇り。尊厳。信。勢。至誠。聖徳。』を肝に銘じ、そして、『知性。品性。理性。』加えて『感性。』+『野性。』+『協性。』を育むことに強く勤しみたいと考えております。

 此処に『法苑三部作』として、
I  「生き甲斐の創造にかく挑戦する」
II  「生きがい就労」
III 「生きがいを生み出す『社会システム化』の創新」を上程させて戴き、三位一体として、此処に筆をおかせて戴きます。

(行政書士・一級ファイナンシャル・プランニング技能士)

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